天然石のトリビアのTOPページへ


ペリドット(かんらん石)

硬度 6.5〜7
結晶系 斜方晶系
比重 3.33
黄緑色 緑 褐色
ガーネット(ざくろ石)

●ペリドット(かんらん石)は、8月の誕生石に選定されています。

●ペリドットは和名でカンラン石ですが、『ペリドット』は実は宝石名で、鉱物としての名前は『オリヴィン』です。

●カンラン石は国によって様々な名で呼ばれていたため、国際協定によって『ペリドット』という宝石名が統一されたと言う過去をもっています。

●ペリドットの語源は、アラビア語で宝石のことを、「ファリダット」というのが、由来とされています。

●オリヴィン(Olivine)の由来は、オリーブの色をしているところからです。

●ペリドットの色彩は、ライトイエローグリーンから、オリーブの新しい葉のような鮮やかなブライトグリーンまでに及びます。

●古代の人たちが一番恐れていたのは暗闇。
  暗闇は、悪魔の仕業で、太陽が、その恐ろしい悪霊を、取り除いてくれると信じていました。
  暗闇の中でも、わずかな光で輝く、光沢の強い緑の石「ベリベット」は、そのまばゆい輝きで、暗闇から太陽を取り戻してくれると、信じていたそうです。

●古代エジプトで、ペリドットは「太陽の宝石」と呼ばれ、エジプトでは代々ファラオ達に崇拝され、その王冠や装飾物は黄金と共に、ペリドットで埋め尽くされていました。

●古代からエジプトでは太陽神を国家の象徴として崇拝していたので、ペリドットのまばゆい黄金の輝きは王族達に大変に愛されたそうです。

●紀元前3世紀の、エジプト・プトレマイオス王朝の時代に、王族によって愛された宝石として、ペリドットの記述が残っているそうです。

●太陽神を崇拝する古代エジプトのプトレマイオス王家は、こよなくこのオリーブ・グリーンの輝きを愛し続けました。

●エジプトは現在も、良質のぺリドットを産出しています。国石にも選定されています。

●「太陽の宝石」として、古代エジプト人に知られていたペリドットは、古代ギリシャとローマ時代の装身具にも、よく使われました。

●ペリドットの採掘は、伝統的に石の天然の輝きがより簡単に見える、夜に行なわれました。

●古代エジプト人は、ペリドットが太陽光線の下で、見えなくなると考えられていたのです。

●最も著名なペリドットの産地は、紅海に浮かぶ「蛇島」と呼ばれる火山島、紅海のトパズィオス島(現在はザバルガット/英名セントジョーンズ島)です。
  伝説によれば、その島にすむ危険な蛇が宝石を守り、近づくものがあればみさかいなく殺してしまうといわれていて、ファラオが島にはびこっていた大蛇を全て海へ導くまで、採掘は非常に危険だったとされています。

●このトパズィオス島は、常に霧に包まれたので、たどり着く事が困難だったため、古代エチオピア語のトパージン(探すの意)に由来して島の名前がつくほど、発見が難しく、幻の島と言われていました。

●紀元前3世紀、トパズィオス島で採れた宝石が、エジプト王家に献上され、トパーズと呼ばれていました。
  これがトパーズという宝石名の語源といわれていますが、トパズィオス島で採れた宝石はトパーズではなく、ペリドットであったと考えられています。
  その理由は、トパズィオス島と考えられる島(現在のゼベルゲット島かセントジョン島)では、良質のペリドットが採れますが、トパーズが見つかったことがないからです。
  また、歴史書に、献上されたトパーズを鉄ヤスリで研磨したと記載されていますが、トパーズが硬く、鉄ヤスリでは、キズさえもつきません。ペリドットなら、鉄ヤスリで研磨することができます。
  これらのことから、エジプト王家へ献上された宝石はペリドットではないかと、考えられています。

●ペリドットの逸話として、海賊にまつわる話があります。
  その昔、アラビアの海賊たちが、紅海のトパズィオス島(現在はザバルガット/英名セントジョーンズ島)に難破し、飢えをしのぐため土を掘り、草や根を取っている時に、偶然ペリドットを、発見したという説があります。

●通常の宝石は、昼(太陽光)と夜(夜間光)で輝きが大きく異なってしまうのに対し、ペリドットは、光の反射が強く、暗闇でも、ロウソクの光で、しっかり輝きます。

●ローマ人は、夜暗くなっても、ちょっとの光で輝く、ペリドットを、『夜のダイヤモンド』や『イブニング・エメラルド』と呼んでいました。

●ペリドットがヨーロッパにもたらされるきっかけとなったのは、十字軍遠征によってです。
  十字軍によって持ち帰られたペリドットはその後、守り札としての役割を持ったり、中世の教会の装飾や儀式用に使われました。

●やがて、ヨーロッパに伝えられたペリドットは、当時宝石といえば色彩が最も重要な評価基準であったため、このたぐいまれな色彩は、中世の多くの人々を魅了しました。

●200ct以上ある大きなペリドットが、ケルン大聖堂にあるMAGIの3つの聖堂を飾っています。

●古代エジプトの女王の王冠、旧ロシア宮廷の王冠、イギリス聖エドワード王冠など、古来から王冠に縁の深い石と言えます。

●紅海のトパズィオス島(現在はザバルガット/英名セントジョーンズ島)では、紀元前から採掘がされており、世界最大の310ctのペリドットもここで採掘され、スミソニアン博物館で展示されています。

●現在、ペリドットは、ミャンマー、アリゾナ(アメリカ)、ノルウェー、ブラジル、中国、ケニア、オーストラリア、ロシア、メキシコなど世界のいたるところで、産出されます。

●19世紀イギリス、ヴィクトリア朝時代のアンティークジュエリーには、ペリドットをふんだんにあしらったものがよく見られます。
  すでにロンドンの街角にはガス燈がともっていたとはいえ、まだまだロウソクに頼っていた時代。
  ペリドットのように透明感が高く、わずかな光にもキラキラ輝く宝石は、とても魅力があったのでしょう。

●ぺリドットは、ニつの鉱物が混合して出来ています。

●ぺリドットは、マグネシウムかんらん石と鉄かんらん石からできた鉱物です。

●ぺリドットは、比較的軟らかい石なので、産出する際に、完全な結晶形をとどめているのは少ないのですが、100〜200カラットという大きな石も産出していて、
  ワシントンのスミソニアン博物館には319カラット、
  モスクワのダイヤモンド博物館には192カラット、
  ロンドンの地球科学博物館には136カラットの、
  「ペリドット」が陳列されている。

●地球をずっと掘り進んでいくと、ペリドット(かんらん石)で出来た層が存在するという説もあるそうです。

●ぺリドットの美しいオリーブグリーンは、主成分である「鉄」によるもので、自色です。

●宝石の色には、不純物として含まれる成分で着色されて色を出す「他色」と、このぺリドットのように、宝石の主成分そのもので着色されている「自色」の二つのタイプがあります。

●他色の石では、混合される着色成分の違いによって、色は変化するので、いろいろな色が見られるが、ぺリドットのような、自色の石では、色は限られます。

●ぺリドットの色は、オリーブグリーンを中心として、帯緑黄色から緑色にわたるが、他の色のぺリドットは存在しない。

●ぺリドットの、このオリーブグリーンを作り出している鉄分は、普通、あまり美しい緑色を示すことがありませんので、ぺリドットに、微量に含まれているニッケルが、このオリーブグリーンに、関与しているのではないかといわれています。

●ぺリドットの多くは、黒雲母の薄片を多量に内包しており、これが緑色にやや褐色味を加えて、あのオリーブグリーンを作り出しています。

●ペリドットに含まれる内包物が、多くなればなるほど、褐色味は強くなります。

●ペリドットには特徴的な内包物があります。
  「リリーパッド」(睡蓮の葉)と呼ばれるその内包物は、円盤状の液体および気体インクルージョンから成ります。
  また、黒っぽい八面体のクロマイト結晶が見えることもあります。
  また、石を少し傾けてファセット稜線を見ると、高い複屈折率による中くらいのダブリング(ファセット稜線がダブって見える)が確認できます。

●ぺリドット独特のインクルージョンには、扁平な空洞の中の液体が睡蓮の葉の形に再結晶したものもあります。

●ハワイ産の丸い小石状のぺリドットには、気泡のように見えるガラス小滴が多量に含まれていて、これが特徴になっています。

●褐色をしたぺリドットをブラウンぺリドットと呼びますが、1951年に、それまで、ブラウンぺリドットと思われていた石の多くが、新種の鉱物であったことが判明しました。
  その成分は、マグネシウムとアルミニウムの珊酸塩で、スリランカで発見されたため、「セイロン石」という意味の「シンハライト」と名付けられました。
  本来のブラウンぺリドットは、きわめて稀にしか発見されていません。

●ぺリドットの主な産地は、エジプトのセントジョーンズ島、ビルマ、スリランカ、アメリカ、ブラジル、オーストラリアですが、
  ハワイ諸島の海岸でも、火山岩の中から発見されていて、「ハワイアン・ぺリドット」として知られています。
  ハワイ諸島では、ペリドットは、女神ペレの涙として重宝されています。
  しかし現在では、ハワイ産のぺリドットは少なく、ハワイで売られているぺリドットの多くは、アメリカ産やオーストラリア産のようです。

●オアフ島には、「オリヴィン」で出来たビーチもありますが、残念ながらそれらは、「ペリドット」として、研磨するにはあまりにも小さすぎます。

●アメリカのニューメキシコ州やアリゾナ州では、母岩が浸食されて離れてしまった、小石状のぺリドットが、砂丘や蟻塚の中から発見されています。

●ぺリドットは比較的軟らかい石なのでキズつきやすく、光沢を失いやすいです。
  また、結晶の上下軸に平行に割れやすいので、取り扱いには注意が必要です。

●ぺリドットはいろいろな形のミックスカットにされることが多いが、大きな石の場合は、ステップカットにすると、艶やかな光沢がいっそう現れて美しく見えるとされています。

●ペリドットの最良の産出地は、ミャンマーにあります。
  ミャンマーで、ペリドットを産出している村はピョゴンといい、この地方ではペリドットのことを『ピョゴンセィン』と呼んでいます。
『セイン』は緑という意味です。この地区では他にルビー、サファイア、ジルコンなども産出されます。

●現在、ペリドットはアメリカ先住民によって、アリゾナのサンカルロス保護区でも、採掘されています。

●1994年にパキスタンで、ペリドットの新しい鉱脈が発見され、それらは今までに無い良質な石でした。
  新しい鉱山はパキスタン側のカシミール地方、ヒマラヤ山脈の西部、海抜1500メートルにある「Nanga Parbat」地域に位置しています。
  美しく大きな原石が発見され、大きな宝石に研磨されました。
  その中の一つは、300ct以上もあります。この新しい発見はペリドットに対しての興味を復活させ、人気を増やしました。

●ペリドットは第1次 第2次大戦中にとても流行った石で戦時中のほとんどの装身具にはペリドットが使われたそうです。

●こんな噂もあります、クレオパトラには「エメラルド」ジュエリーのすばらしいコレクションがあったのですが、実際にはそれはペリドットだったという噂です。

●コンゴ共和国で、発掘されているペリドットには、『メテオライト』が含まれています。

●『メテオライト』は宇宙空間から飛来して地球に落下した隕石です。メテオライトには50種類以上の物質が含まれていて、その中のいくつかは元々地球上には存在していない物質です。メテオライトは地球や宇宙の成り立ち、歴史を知るうえで重要な手がかりとなります。

●おそらく最も珍しいペリドットは、パラサイトと呼ばれる隕石から採れたものです。

●『パラサイト』は、石質部が金属に含まれる構造をしている石鉄隕石で、隕石の細かい分類名として、パラサイトと呼ばれています。
  石質部は、オリビン(ペリドット)で、金属部は鉄ニッケル合金である。研磨すると、オリーブ色とメタルカラーの美しいコントラストをもつため、装飾品としても人気があります。
  オリビンの結晶の形が、本来結晶の持つ形をしているので、マグマの中でオリビンは結晶したことを示している。
  また、オリビンの比重(約3.3)と鉄ニッケル合金の比重(約8)には大きな差があり、重力のかかる地球の石には両者が混在する構造は見られないのです。
  よって、小規模な天体(小惑星)が加熱溶融されて、パラサイトは形成されたと考えられています。ちなみに、パラサイトを形成した小天体の直径は、600km程度(地球の約22分の1)と見積もられています。

●宇宙から地球に隕石が落下し来るという事実が一般に認められたのは約200年前にすぎないのです。

●1809年、エール大学の2人の教授が米国コネチカット州に落下した隕石について報告したときも、科学者でもあったジェファーソン大統領は、「石が天から降ってくると考えるよりも、2人のヤンキー教授が嘘をついていると考えた方が合理的である。」とコメントしています。

●1794年、ドイツの物理学者がクラスノヤスカ隕石(ロシアの探検家パラスがサンテペテロブルクに持ち帰ったパラサイト)を地球外物質と結論づけたが、当然当時の人々には受け入れられなかった。ちなみに、パラサイトの語源は、探検家パラスにちなんだものです。


このページのTOPへ